今、発売中の『週刊ポスト』(12月6日号)の
皇室を巡る総力特集について、小林よしのりさんが
「推薦」されている。
但し、この特集記事の冒頭に収める私のコメントには、
スペースの制約で重要な欠落がある。
そこで、ここに追加しておく。
次の一文だ。
「この度のご火葬の復活は両陛下の大きなご決断ですが、
古来の薄葬を旨とする伝統を踏まえて、
これからの皇室がいかにあるべきかを高い見地から熟慮された
結論です」
本来なら、引用されたコメントの後ろから
三番目の文として位置すべきだった。
特集中、昭和から平成への御代替わり当時、
内閣官房の事務方の副長官として事実上、
実務を一手に取り仕切られた最大のキーパーソン、
石原信雄氏の詳しい証言が、3ページに亘って掲載されている。
これは大変貴重だ。
文末に、石原氏はこんな感慨を述べておられる。
「大喪の礼にしろ、その後行われた即位の礼にしろ、
一方で新憲法との整合性に配慮しながらも、
伝統に則る形で行うことができたと思います。
あれから20年以上経ちますが、
幸い、靖国神社を巡ってあるような違憲訴訟は1件もありません。
そのことに安堵し、誇りにも思っています」と。
当時、僅かながら氏と接点を持った私も、
この感慨は痛いほど分かる。
なお細かいことだが、文中に「剣璽等承継の儀」について、
「皇位の証である剣と璽(天皇の印章)を継承する儀式」と
説明しているのは、不正確。
剣は勿論、草薙剣(くさなぎのつるぎ)のご分身(宝剣)で、
璽は「天皇の印章」ではなく
八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま、神璽)のこと。
“等”と略されている中に、
御璽(ぎょじ、天皇の印章)と国璽(こくじ、日本国の印章)が
含まれる。
編集部のケアレスミスだろう。